モノレール

 

1)モノレール

モノレールは都市内の近未来的な交通機関として期待されてきましたが、一時期のブームが去り、各地で問題が噴出しています。

しかし、モノレールにはモノレールにしかないメリットがあります。そのメリットは他の手段ではなかなか代替できないものです。

そんなモノレールを考えてみましょう。

跨座式のディズニーリゾートライン 懸垂式の千葉都市モノレール(千葉駅)

2)モノレールのメリット・デメリット

モノレールの最大のメリットは「路線の柔軟性」です。

モノレールは勾配や急カーブに強く、ルート取りが比較的自由にできます。ですから既存の道路上や河川の上に敷設が可能です。しかも軌道がスレンダーでなおかつ軽量であるため橋脚が細くて済むことから道路の拡幅幅が抑えられます。このメリットは大きいもので、事業費の圧縮や用地買収などの負担が少ないなどのメリットがあります。

軌道の線形自由度が高い(ゆいレール 左:市民病院前〜古島間の6%勾配 右:赤嶺〜小禄間)

また、モノレールは高架構造とする場合に景観インパクトが小さく、かつ比較的線形自由度が高いことにより駅や再開発施設、商業施設直結などの構造が可能になります。

千葉モノレール (左:再開発ビル上を走る 右:駅とビルが直結)

多摩モノレールや大阪モノレールの一部のように乗り入れていない例もありますが、これは単に乗り換え機能を重視しているのではなく都市アクセスを重視しているものであれば考えられる方策です。多摩モノレールの立川南と立川駅は言われているほど離れてはいませんし、当初こそ乗り入れが出来ませんでしたが、結果的に乗り入れにより利用者が増加した北九州モノレール小倉駅のJR小倉駅上への乗り入れのようにモノレールであるからこその例もあります。

JR小倉駅ビルに入る北九州モノレール

では、モノレールのデメリットはなんでしょう。

最大のデメリットは既存鉄道との融合性が悪い(他の鉄道線に直通できない)、LRTに比べコストがかかるといったものです。しかし、これらもモノレールの致命的な欠陥とはいえません。他線との直通は当初から想定していないのであれば無視していい事項ですし、そもそもそういった流動が見込めないのであれば直通させることの意義はありません。

コスト面については、道路整備の一環となっていることでの圧縮もあり、またLRTに比べ単位輸送力が大きいですからLRTではカバーできないような場合や地形の問題などがある場合にはトータルコストで高いか安いかの評価を行わなくてはならないでしょう。

他の鉄道線との直通を強く推す提案もありますが、本当にその流動で軌道が成立するのかをじっくり考える必要があります。

3)具体例

沖縄都市モノレール

ゆいレール

沖縄に戦後初の軌道系交通として復活したゆいレールは、堅実な利用と安定した経営もあってモノレールの成功例です。

一見すると使いにくそうでありながら、需要に堅実に応えるルート、病院や商業施設との直結・全駅へのエレベーター整備などの利用しやすさを追求した徹底したユニバーサルデザイン思想、沿線のまちづくりとの相乗効果など、地方都市の公共交通整備のお手本といえるモノレールです。

既存路線バスとの関係がまだハッキリしていませんが、様々な施策展開でさらなる飛躍も期待できるモノレールです。

ディズニーリゾートライン

東京ディズニーリゾート内を走るモノレールです。

施設内移動機関的なものであり、かわいらしいデザインの車両や駅舎に目を奪われがちですが、需要のある拠点間を適切に結ぶ、利用しやすいように駅を配置するなど、都市内短距離移動システムのあり方を示している好例です。

東京モノレール

東京・浜松町と羽田空港を結ぶモノレールで、先駆例とも言えるものです。

幾たびかの経営難や利用低迷に見舞われながらも着実に成長し、現在では都市交通として成功したモノレールとして世界的にも知られています。

単なる空港−都心の連絡という性格だけではなく沿線利用を睨んだものとなり、都市交通としての機能向上が図られています。

北九州都市モノレール

北九州市を南北に結ぶモノレールですが、利用の低迷などから批判を集めるモノレールです。

開業当初にJR小倉駅乗り入れが出来なかったこと、周辺道路整備による自動車利用の増加など周辺環境の悪化により利用が伸びていません。小倉駅乗り入れにより若干巻き返しましたが、まだまだ利用が少なく、手を打つ必然性は高いといえます。

しかし、病院との直結や都心部における駅配置などは工夫が見られますし、自動車交通、バス交通との整合に期待したいところです。

多摩都市モノレール  

交通の便が極めて悪い東京多摩地区の南北流動をカバーするモノレールです。

開業当初からマスコミなどで批判を浴びていますが、利用者そのものは堅実に推移しており、予測こそ下回っていますがすでに多摩地区には欠かせない基幹交通となっているモノレールです。

千葉都市モノレール

千葉市内を結ぶ懸垂式モノレールです。

利用の低迷、経営の悪化などから存続すらも懸念される事態になっています。

ルートも決して使いやすくはない上に、需要との食い違いも強く見えるものです。

 

モノレールは完結した都市交通システムとしては完成度が高く、また適切に導入すれば都市の基幹交通軸としても使いやすいシステムです。しかし、一部に不適切な導入例が見られることで評価が低くなっているという見方もできます。

 

モノレールにはモノレールのメリットがある。その視点を考えていくことが必要でしょう。

 


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