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高速道路を利用した都市圏幹線バス |
●概論
高速バスといえば都市間輸送というのが定番の考え方でした。
しかし、最近ではこれまで路線バスや都市鉄道が担っていた短中距離輸送に高速バスが登場する場面も珍しくなくなってきました。また、高速バスが基幹バスとして鉄道的な使われ方をしている例もあります。
先進的なものとしては常磐道を軸にした東京からの高速バス網や名古屋近郊の高速バス、福岡の都市高速経由高速バスなどがあり、これらの多くは「高速道路は定時・定速の確保が容易」という点をうまく利用し、速達サービスを実施することで広く利用されています。また、高速道路ではないものの自動車専用道路を経由して速達性を「目玉」にする路線バスも増えています。
●特徴
都市圏内・都市内高速バス路線には大きく分けて2パターンがあります。
高速道路上やIC隣接のバス停で客扱いを行うタイプ(神戸淡路鳴門道・沖縄道(名護線)など)
高速道路をショートカットとして利用するタイプ(新神戸トンネル・福岡高速・広島高速・沖縄道(具志川・屋慶名線)、東名(浜松市内)など)
また、このほかに都市間路線が都市圏輸送も兼ねている例(中央道桃花台、中国道滝野社など)もあります。
前者の場合、高速道路上のバス停がいわば地域の「駅」のような存在となっています。さらに、規模によってはよくあるバス停ではなく交通拠点としての性格を持っているものもあります。高速バス停にパークアンドライド用駐車場やさまざまな機能が付帯している例が多く、路線バスなどとの結節も多くなっています。中でも、神戸淡路鳴門道では利用者が多いこともありIC近くに専用バスターミナルを設ける例もでてきています。
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本線上バス停とパークアンドライド駐車場(神戸淡路鳴門道 高速東浦) |
ICに併設されたバス停(沖縄道 沖縄南IC) |
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IC近くに設けられた高速バスターミナル (神戸淡路鳴門道 東浦バスターミナル) |
路線バスと接続するバス停(中国道 滝野社) |
後者の場合には山岳部や市街地を迂回する・ショートカットする形態がほとんどです。
広島や神戸では市街地の後背山地をショートカットする形態であり、福岡や沖縄道は市街地部をショートカットして都心にダイレクトに入るというもので、その効果は大きいものです。
神戸では迂回している鉄道線に対し、高頻度・速達性で上回るサービス水準を示しており、福岡でも端末との組み合わせで軌道系を越える利便性を提供するなど、定時・定速に加え、速達性などでも大きなアピールができています。
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山地をパスする新神戸トンネルを走る神戸市バス(箕谷) |
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●具体例
(神戸市)
六甲山をはさんで神戸都心と北神や、その後背地の三木・三田・西脇などを結ぶ都市圏バスサービスです。自動車専用道路を走行し、面的サービスというバスの特徴と定時・定速サービスで高い利用を誇るバス路線です。
パークアンドライドやキスアンドライドとの連携なども見られる先進例です。
(兵庫県)
淡路島内を縦貫する神戸淡路鳴門道はいまや全国でも有数の高速バスルートです。島内では鉄道のように基幹交通軸となっているこのバスサービスは通勤・通学などの足として広く使われている「都市圏内高速バス」の典型例です。
また、本州側には鉄道駅と直結した高速バス停が整備され高い利便性と利用を誇るバス路線となっています。
東名高速道路 (浜松市)
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浜松市中心部から郊外部を結ぶバス路線は数多く設定されていますが、朝夕の通勤時間帯に高速道を経由するショートカット型のバスが運行されています。 「オレンジ急行」と名づけられたこのバスは浜松市郊外の三ケ日地区を東名高速経由で結ぶことで速達性を確保しています。さらに、一部路線は浜松市周辺で広く導入されている「モーニングダイレクト」と呼ばれる通学機能に特化したバスの性格もあり、市内の高校と三ケ日地区を高速経由で結ぶ路線となっています。
福岡都市高速 (福岡市)
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福岡市内を走る福岡都市高速を経由する路線バスが数多く運行されています。福岡市内各地から中心部の天神に向けて走るこれらの高速バスは鉄道ではカバーできない細かいニーズにこたえており、また高い速達性により広く利用されています。 広島高速4号線 (広島市)
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撮影:せきのりかず様
広島北西部のニュータウンと広島市を結ぶ高速バスは、速達性と軌道系にはない面サービスにより高い利用を誇ります。 よくある郊外型路線バスとは異なり、中間エリアを通過運転することで利用者のニーズにうまくこたえ、定時性を確保している好例となっています。
沖縄自動車道 (沖縄県)
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沖縄本島を南北に結ぶ高速道路には数多くの高速バスが運行され、那覇と中北部の町を結んでいます。これらのバスは途中のバス停での客扱いなどもあり鉄道的な基幹バス機能を有しています。利用は低迷していますが、ゆいレールとの接続サービスの実施などにより基幹バスとしての性格を強くする施策が官民一体で実施されており、今後に期待できるバスサービスとなっています。 オアフ島 (アメリカ・ハワイ州)
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VOTレーンの設置されたフリーウェイを使って速達性を確保した高速バスサービスです。
鉄道のないオアフ島ではこのバスサービスが基幹交通として利用されています。
●導入に向けて考えられること
高速道路があれば導入できるというわけではありません。神戸・広島・福岡は都市高速的な道路であり、都心に比較的近い場所にICがあるため速達性の担保が容易です。沖縄や神戸淡路鳴門道では鉄道とのアクセス強化により利便性を確保しています。
地方都市などではICが郊外にあるケースが多く、都心までの所要時間が要するため導入が難しいケースが多く見られます。
基幹バスの一部区間などに導入するといったケースや大都市周辺部などで可能性があるシステムといえます。