BRT(Bus Rapid Transit)システム

 

●概論

「サーフィスサブウェイ」などとも呼ばれる基幹バスの運行スタイルです。

物理的に隔離された専用走行路を走行し、近代的な駅、ハイテク車両を用いて高頻度・高速サービスを実現する都市公共交通システムで、バスを用いることで安価かつ効率的な整備が可能というシステムとして途上国や地形的にLRTが導入できない地域で注目されています。

 

このシステムの先進事例はブラジルのクリチバにおけるバスシステムで、以後、その変形として、ボゴタ(コロンビア)、ポルトアレグレ、サンパウロ(ブラジル)など中南米で発展してきたシステムです。そして、最近では安価でシームレスな輸送環境形成が可能という特性から先進諸国でも導入がされており、マイアミ、ピッツバーグ(アメリカ)、オタワ(カナダ)、ソウル(韓国)などでも既存バスシステムのリニューアルやLRTネットワークの拡大の一環として導入が進められており、ホノルルや成都、杭州(中国)などでの導入も進んでいます。

 

●特徴

多くの都市で完全に分離された専用走行路を走行し、バス停も「駅」というものに近い高いレベルのサービスを提供しています。

 

名古屋市の基幹バスと似ていますが、走行空間がより専用化している点に特徴があります。

特にソウルのBRTは名古屋と類似していますが、一般車の混入を終日認めていないこと、物理的に分断されていることなどからLRTに近いものといえます。

撮影:横山大輔様

撮影:横山大輔様

分離空間が大きな特徴(ソウル)

バス停は路面電車の電停並みの規模を有する(ソウル)

 

このような高いサービスでありながら建設コストは非常に安価であり、特に施設の負担はありません。クリチバのようにプラットフォームを用意するのであれば別ですがそれでも軌道系に比べ大幅に安価であり、北米などの例から見ると、1kmあたり5億円弱で建設が可能とされています。

 

LRTなどの鉄軌道システムのプレシステムとして、また、幹線バスの近代化・高度化方策として期待できます。

 

 

●具体例

クリチバ(ブラジル)

撮影:Taichi GOTO 様

鉄道規模の輸送密度を持ったバスシステム

クリチバはバスに限らず、まちづくりでも興味深い取り組みがされています。

オタワ(カナダ)

撮影:Shimotomobiki Station様

完全立体の専用道路と一般道路を使い分けるバイモーダル・バス・システム

ソウル(韓国)

撮影:横山大輔様

自動車交通対策の切り札としてソウル市で導入されたバスシステムです。

地下鉄との乗継サービスなどを行っているほか、BRTでもあり基幹バスでもあるという特性に合わせた路線網を形成しています。

 

 

●導入へ向けて

BRTシステムの導入にあたっては走行空間が物理的に区分されることから、それなりに道路幅員が確保されている必要があります。

あるいは、オタワのように「専用走行道路」空間基本とするのであれば道路幅は気にする必要はないといえます。

 

輸送力はLRTと同等でありながら安価な費用で整備が可能なシステムですが、一方で綿密に計画しなくては失敗のリスクも高いものです。

既存バス路線網との融合、フィーダーサービスとの関係整理などを行ってバス路線網の基軸として位置づけられるかをきっちり考えることが必要です。

 


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