| 表紙写真館 | No.40 | 詫間町営バス | 香川県詫間町 |
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地方部の民営路線廃止に伴う「廃止代替路線」というと、一般的には過疎地の極低需要路線を「シビルミニマム」ということで公共機関が運行するイメージがあります。民営時代の輸送力として便あたり数人といったレベルがほとんどで、日あたりでも10人程度といった路線も実際問題として少なくないですし、廃止代替路線も民営路線のダイヤをそのまま踏襲する程度の公共交通のサービス水準としてギリギリのラインに設定するのが一般的です。
ところが、廃止代替で公共機関運営になり、地域密着のダイヤ・ニーズ把握などの対策により、利用者が民営時代よりも大幅に増加した例も見られるようになっています。 このようなケースで最も成功した例と言えるのが、香川県西部の詫間町が運営する町営バスです。 詫間町はおよそ人口1万5千人。瀬戸内海に面した港湾と漁業が中心の都市です。他の同種地域と同様、高齢化が急速に進行し、また自動車の普及により公共交通利用が大幅に減少するいわゆる「モータリゼーション」の波が当然のごとく生じており、1世帯あたりの自動車保有も1.35と香川県平均の1.28を上回っています。 当然、そのような地域では民営バスは経営は厳しく、民営事業者2社が運行していましたが1社は地元事業者に転換、1社は完全に廃止ということになりました。転換存続した1社の路線は町内を通っているものの鉄道とともに町内アクセスとはなりえず、廃止となった路線が町内アクセスの唯一の公共交通機関であることから、他の地域でも見られるような「廃止代替路線」の町営バスが設置されています。 他の地域でも、廃止代替バスに様々な工夫を行っている例はあります。幹線バスと支線バスという路線の分離を行って民間事業者に委託する手法で成功している奈良県十津川村、スクールバスなど既存の自治体バスと融合を図ることでサービスを維持した長野県川上村などが顕著な例といえます。しかし、詫間町の打った策は制度や収益構造の工夫による成立ではなく、公共交通の基本に立ち返る「ニーズに応える」という政策でした。 |
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まず、本数をおよそ60分毎となるように増便(19便→43便)を行い、運賃の100円均一化、乗り継ぎ制度導入、バス停の増設、徹底したニーズ把握によるルートの変更、病院などへの施設内への乗り入れ、2路線の完全接続(タイムドトランスファー)の実施など、昨今のコミュニティバスで成功例とされている東京・武蔵野のムーバスや東京・足立のはるかぜ、埼玉・桶川のべにばなGOなどと同じような「利用者のニーズに応える」という基本策を徹底して実施しています。 |
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その結果として利用者が2003年度で14万7千人となり、平均日利用者で400人/日とおよそ10倍。2001年の営業開始から3年半で50万人を超えるなど都市部のコミュニティバスでもなかなか無い好成績を収め、黒字化も夢では無いほどにまで成長しています。この利用者数は1便あたり9人超という人数であり、路線バスの採算ラインをクリアできる実績を残しています。 わずか1万5千人の人口、そして高い自動車保有率でもこれだけの好成績を残す。公共交通の基礎を実践したことでの成功例であると言えます。 |
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参考文献)四国放送「生き残りをかける市営バス」http://www.jrt.co.jp/tv/ohayo/2002/1010.htm 四国新聞記事 取材:2005年5月2日・3日 |