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No.30

「スカイトレイン」 BTS

(Bangkok Transit System)

タイ・バンコク市

 


渋滞のすさまじい都市といえば・・・「東京」「ニューヨーク」「ロンドン」・・・いや、タイの首都バンコクでしょう。

「天使の都」(クルンテープ)といわれ、チャオプラヤー川流域に広がる都市は水の都でもある都市です。バンコクの玄関・ドンムアン国際空港は世界の空の十字路とも呼ばれ、世界各地から旅行者が集まる町でもあります。

バンコクには「都市内公共交通」と呼べるものは実質的に「路線バス」だけ。郊外輸送をになう鉄道はあるものの軌道系都市交通は存在せず、市内移動は自動車系と市内を流れるチャオプラヤ川の「エクスプレスボート」(=水上バス)に限られていました。つまり、「定時」「定速」「確実」な交通機関が存在しないという大都市であったのです。

鉄道といえばタイ国鉄がありますが、速度が遅く前近代的で本数こそ多いものの極めて使いにくい交通機関です。

そんなバンコクに忽然と姿を現した「定時」「定速」「確実」である「軌道系交通」が「BTS(Bangkok Transit System)」(スカイトレイン)です。

【バンコク都市圏の既存の交通機関】

前近代的な鉄道
チャオプラヤエクスプレスボート 路線バス トゥクトゥク

 

BTSは2路線からなり、市内北部のモーチット駅から中心部のサヤーム駅(セントラル・ステーション)を経てショッピング街であるスクンビット通りを東に進みオンヌットに至るスクンビット線と国立競技場からサヤーム駅を経て歓楽街で名高いバッポン通りをかすめてエクスプレスボートのサートーン桟橋に隣接するタークシン駅に至るシーロム線の2路線からなります。

モノレールなどといわれてますが大阪市営地下鉄や東京・丸の内線などと同じシステムを採用しており、実質的には普通鉄道(HRT)といえます。

バンコク市内の交通混雑解消を目的に建設されましたが、悲しいかな渋滞の解消には至っていません。渋滞している道路の上をスイスイ走る快適な乗り物ではあり、拠点もそれなりに押さえており利用しやすい乗り物ですが、利用こそされているものの車からの転移が進んでいるかといえば疑問符がつきます。

ゆいレール(レポート参照)とともに「何もない都市圏に軌道系が新規に建設されたら」の好例ですが、ゆいレールを成功例とするのならBTSは失敗とは言わないまでも再試験になったような存在で、それはルートやシステムではない点での「軌道系整備にあたり何が必要で、ではどうしたらよいのか」ということを明確に示した例といえます。

軌道系新規導入を考えている都市圏にぜひともじっくり考えていただきたい事例といえます。


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